人生に必要なことは、防衛大学で教わった。

防衛大学校卒のIT企業社長によるビジネスブログ

人生に必要なことは、防衛大学で教わった。

カッター競技大会

前回のブログで各学年ごとの競技会について少し触れましたが、

今回は2年生のカッター競技大会についてお話したいと思います。

カッターと聞いても、ぴんとくる方は少ないでしょう。

カッターとは船舶に搭載されるボートのことで、

船の後部の端の部分を切断した形をしているため、

カッターと呼ばれるという説が有力です。

大型船の舷側に搭載され、

救命艇、連絡艇として用いられるため端艇とも呼ばれます。

特に、軍艦では短艇として表記されます。

 

話を元に戻しまして、このカッター競技大会、

おそらく防大で一番しんどいイベントだといえるでしょう。

2年生全員を対象にした訓練は4月頭から始まり、

同月下旬に競技会が行われます。
競技会の様子

平日は課業終了後しか訓練はできませんから(土日は朝からやる)、

課業終了次第、ポンドに走っていってカッター訓練が始まります。

学生隊は、4個大隊、各大隊に4個中隊、全部で16個中隊に分かれていますが、

競技会は16個中隊によるトーナメント方式で行われます。
*敗者復活戦もあります。

見事トーナメントを勝ち抜き、

1位になった中隊が優勝中隊、

同中隊が所属する大隊が優勝大隊(?)となります。

優勝商品は「カッター競技会優勝大隊」と書かれた看板のみ。

次の競技会まで、これを学生舎の前に掲げることができます。

ちなみに、概ね優勝大隊には1週間程度、

日朝点呼が就寝点呼(朝、起きなくて良い)になるという特典が付くことが多く、

これがめちゃめちゃ嬉しかったです!

さて、各中隊には艇長と呼ばれる責任者の4年生1名がつき、

海トレ(海上でのトレーニング)と陸トレ(陸上でのトレーニング)の

各責任者にも4年生が各1名ずつ、同補佐として3年生が各1名ずつつきます。
*海トレは海自要員の学生が多かった。

さて、カッターは片側に6人、合計12人が乗艇。

その他、艇長と艇指揮が乗艇。

漕ぎ手はポジション別の番号が降られていて、

前から順番に1、2、、となるわけですが、

7番と8番は艇の中央部に位置し、

船の推力に最も大きな影響を及ぼすことから

「エンジン」と言われてました。

つらかったのは「ダッシュ」の練習。。。

艇長が「ダッーシュッ、ダッシュ!ダッーシュッ、ダッシュ!」

と叫び始めると、

それにあわせて漕ぎ手は全員立ち漕ぎをします。

立ち上がってからオールに全体重を預ける格好で、

後ろに倒れます。

そのままだと後ろに転げ落ちるので、腹筋使って起き上がり

また立ち上がる、、、を繰り返すわけです。

何回もこれを繰り返すわけですから

腰掛の板と尻がすれるので尻の皮がむけてしまいます。
*女性用の生理用品を尻にはりつけたりしてしのいでいました。

また、ミスるとオールを流したり、

最悪オールが手から離れて艇からも外れて流されてしまう

(通称「ランチャ」)ことも。。。そうなると色々大変でした(笑)

 

大変な訓練のカッター競技大会ですが、

同期が本当に一致団結してやる最初の競技会でもあります。

下級生の指導とも重なるため、防大にいる中で一番しんどい時期に行われるため、

「上級生になるための登竜門」だと言われています。

細かい話ですが、

1年生の間は、成人していても酒、タバコは禁止ですが、

2年生でカッター競技大会が無事に終ると、

酒、タバコ、外泊が許可されます。

 

思い返してみると、

この時期は1年生の面倒を見たり、

ミスった1年生の代わりに3~4年生から怒られたり、

夜中に部屋で1年生の話を聞いてやったり、かつカッター訓練もある、、、

ということで本当に大変でした。。。

しかし、だからこそこの競技会を経てはじめて上級生として認められるのかな、

という気がします。

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著者情報

著者イメージ

松本 宣春(まつもと のぶはる)
1973年生まれ。
出身:大阪府。
趣味:スポーツ観戦、読書。
特技:企画、人を励ますこと。
一言:世に無いサービスを提供し続けたいと思います。